治療について(上まぶたのたるみ・眼瞼下垂)

加齢でまぶたが重くなってきた方には、眉下切開と眼瞼下垂症手術(挙筋腱膜前転術)の二つの選択肢があります。
眉下切開は眉毛の直下の皮膚を切除して余剰皮膚を減らす方法。
皮膚のたるみだけでなく、目を開く筋肉(眼瞼挙筋)が伸びて開けにくい眼瞼下垂がある場合は、二重切開から皮膚を調整しつつ、挙筋腱膜を瞼板に固定する手術が必要です。
いずれも適応が異なるため、診察で見極めて治療を決定します。

眼瞼下垂症手術(挙筋腱膜前転術)

メリット

  • まぶたが上がることで視野が広がる
  • まぶたの重さに伴う筋緊張が軽減し、肩こり・偏頭痛の改善がみられることも

治療の流れ

  1. 麻酔局所麻酔
  2. 所要およそ2時間
  3. 抜糸術後約1週間(それまで軟膏処置)
  4. メイク抜糸後より可
  5. フォロー半年程度は定期診察を推奨(元に戻る可能性への備え)

合併症・リスク

腫れ(2週間〜2ヶ月で軽減/個人差あり)、顔の印象変化(目が大きく見える・一重の方は二重化)、デザインの完成まで3ヶ月〜半年。露出増により閉瞼障害・ドライアイが起こること、感染・血腫・瘢痕・左右差・糸の緩み(再発)・二重の食い込みの変化など。

保険診療か自費診療かは来院いただいて、診察の上判断させていただきます。

眉下切開(上まぶたのたるみ)

方法

上まぶたのたるみが主体の場合、眉毛下に沿って皮膚を部分切除し、まぶたの重さを軽くします。二重のデザインを変えずに軽さを出せるのが特長です。眼瞼下垂を伴う際は、重瞼切開+挙筋腱膜前転を同時に行うことがあります。

メリット

  • 皮膚過多が主因で眼瞼下垂がないケースに適し、二重幅を保ったまま軽さを回復
  • 状態に応じて眼瞼下垂手術の併用も可能

治療の流れ

  1. 麻酔局所麻酔
  2. 所要およそ1時間
  3. 抜糸術後約1週間(抜糸後に眉メイク可)
  4. 腫れ・内出血約2週間
  5. 創部の赤み2〜3ヶ月で軽減

合併症・リスク

重瞼線の菲薄化、創部の赤み・凹凸(ドッグイヤー)、上眼瞼の予定外のしわ、つっぱり、陥凹、痛み・内出血・腫れ・兎眼(閉瞼障害)など。